2拠点生活に興味があるけれど、何から手をつけてよいのか…そんな方もいると思います。
我が家は2拠点生活歴18年。
この記事では、これまでの経験をふまえた『2拠点生活を始めるまでの5つのステップ』を解説付きでご紹介します。
この5つのステップを順に検討・実行していくだけで、スムーズに2拠点生活が始められますよ!
ステップ1・2拠点生活をする目的を考える
まず、何のために2拠点生活がしたいのか、2拠点生活で何を実現したいのか、目的を明確にするといいですね。
2拠点生活を物件探しからスタートする場合、目的に合った土地選びや物件選びが、2拠点生活を成功させるコツだからです。
以下で、2拠点生活を行う目的で多い事例をご紹介します。
あてはまるものはありますか?
自然豊かな環境で子育てがしたい
子どもを大自然の中でのびのび育てたい…そんな思いで2拠点生活をされている人は多いようです。
2拠点生活の目的が裸足で土の上を走り回れる環境、外で安全に遊べる環境などの場合は、2拠点目が都会でなければ比較的叶いやすいですよ。
2拠点目の家で趣味を満喫したい
大人の贅沢な遊び、といった趣の2拠点生活も素敵な過ごし方です。
例えば趣味で集めているコレクション。
メインの家に飾るスペースがない場合、2拠点目に思いっきりコレクションを飾るスペースを作ってください!
例えば趣味が楽器なら、近所迷惑になることなく思いっきり練習してください!
趣味が工芸なら、庭に作業小屋を作って思う存分篭もってください!
ほら、想像するだけでワクワクしませんか?
土いじり、野菜作りがしたい
このニーズも多いですね。
ただし、頻繁に手入れが必要なものを2拠点目で育てるのは難しいと思います。
2拠点間を細かく行き来する予定なら、可能かもしれません。
実際、2拠点目で野菜を栽培して収穫し、メインの家に持ち帰って食事に利用している、という方もいらっしゃいます。
テラスでBBQ をして、収穫した野菜を楽しむのもおすすめですよ。
ちなみに、畑の手入れ同様、2拠点目の室内に鉢植えの植物を置くことも難しいです。
室内に何かグリーンが欲しい場合は、2拠点目で過ごす間だけ切り花を飾る、などの方法になると思います。
将来の移住に向けたステップにしたい
これ、実はとても大切な2拠点生活の目的です。
なぜなら、移住をするにしても、2拠点生活などの移行期間を経ずにいきなり移住するのは失敗する確率も高いからです!
定年退職したから、夢だった移住をしよう!
ゆっくり田舎暮らしを満喫したい!
そんな思いでいざ移住してみたものの、ご近所に知り合いもいない、買い物事情も病院事情も分からない、気候の変化に身体がついて行かない…そんな事態になりかねないのです。
もし移住を検討しているなら、まずは2拠点生活での地ならしが必須!
移住前に行いたいこと
・ご近所に顔見知りを作る
・食料品のほかに、生活雑貨が帰るホームセンターの位置を把握する
・持病がある場合は、かかりつけの病院に紹介状を書いてもらい、2拠点目近くの病院にも行けるようにしておく
・役所や郵便局の場所を把握しておく
・メインバンクがその地域にあるか確認しておく
・春夏秋冬の気候・気温を把握しておく
など、生活の拠点を移すための準備期間としてまずは2拠点生活をしてみてくださいね。
犬がのびのび走れる環境が欲しい
我が家は犬連れの2拠点生活。
犬がのびのび過ごせるのも、2拠点生活の大きなメリットです。
メインの家での散歩となると、どうしても住宅街になります。
車に気を付けながら、アスファルトの平坦な道を歩くだけの散歩…
それに比べると、2拠点目での散歩は車の通りも少なく、起伏のある草原や林の中の道をのびのび走れるのです。
犬が嬉しそうに草原を走り回る姿を見るのは、飼い主冥利に尽きますよ!
特にたくさんの運動量を必要とする大型犬にとっては、有り難い環境だろうな、と思います。
あこがれの広い家が欲しい
我が家のメインの家は、首都圏の住宅街にあります。
近隣の家はどこも庭が狭く、3階建ての狭小住宅やいわゆる旗竿地の住宅もたくさんあります。
それに比べて2拠点目は、広い家と広い庭が手に入りやすい!
もちろん、どこにどのような物件を手に入れるかによって変わりますが、2拠点目が田舎の場合は、都会よりも安い価格で広い土地・大きな家が手に入る確率は高い訳です。
我が家のようにDIYを楽しみながら、憧れの家に少しずつ近づけてゆく…そんな楽しみ方もおすすめですよ。
地域とのつながりを充実させたい
都会での暮らしは、地域同士のつながりが希薄になりがちですよね。
我が家は特に賃貸アパート暮らしということもあって、ご近所さんをどなたも把握していないのです。
生まれ育った土地でもないので、近くに知り合いも友人もいません。
それに比べて、毎日暮らしている訳ではないにもかかわらず、2拠点目の方が近所に顔見知りの方が多いのです。
お名前も存じていますし、お菓子を頂いたこともあります。
DIYの相談をしたり、ワンちゃんつながりで仲良くなったり。
近所の牧場で待ち合わせをして、一緒に犬の散歩に行っているお仲間同士もいらっしゃいますよ。
こういったコミュニティーを2拠点目の地域で構築するのも楽しいですね。
2拠点目の環境を生かした趣味を満喫したい
この目的を叶えるのは、2拠点生活の醍醐味の1つだと思います。
その土地の環境を大いに満喫してください!
我が家は、犬連れ登山や犬連れハイキングが大好き。
2拠点目で過ごす時の楽しみの一つです。
目的がスキーなのか、ゴルフなのか、釣りなのかなど、趣味の種類によって二拠点目に選ぶ土地が変わってきます。
この目的の場合は特に、計画段階から目的をはっきりさせておくことが、2拠点生活を成功させるコツですね。
ステップ2・2拠点生活の希望を家族とシェアする
家族は賛成か
2拠点生活の目的が大まかに決まったら、その思いを家族同士でシェアしてみてください。
もし反対の家族が一人でもいるなら、その理由が解決できるものかどうか、話し合ってみてください。
今はいったんあきらめる、という決断をすべき場合もあるかもしれません。
2拠点生活を18年間やってきた経験から言えることは、家族みんなが賛成していない2拠点生活は難しいということ。
移住よりも手軽に始められる2拠点生活ですが、ライススタイルの大きな変化であることは間違いありません。
家族の反対で2拠点生活が無理そうな場合は、ライフステージが変わって改めてチャンスが訪れたら、その時また検討すればいいと思いますよ。
家族は先に挙げた目的の他にやりたいことがあるか
家族の要望で、もし他にも2拠点生活の目的が増えそうなら、それは絶対に2拠点生活を始める前にシェアしておきましょう!
事前に把握することで、ニーズを満たした土地選びなどに反映させられます。
サーフィンを2拠点生活でやりたかったな…
あとになってこんな風に言い出しても、2拠点目が海の近くでなければどうにもなりません。
土地や物件を選ぶ前に家族で思いをシェアして、家族みんなが楽しめる2拠点生活でありたいですね。
子どもの習い事、ペット、持病…生活の拠点を離れる期間があっても大丈夫か
家族それぞれに、それぞれの事情があります。
学生なら平日はメインの家にいる必要があるでしょう。
大人も仕事によっては、シフト制だったり、夜勤があったり、休みがとりづらい職種もあるかもしれません。
幼い子どもでさえ、習い事で融通の利かない曜日があったりするのです。
猫をたくさん買っている、大きな水槽で魚を飼っている、などの事情もあるかもしれません。
長期で自宅を空けづらい事情がある場合は、その問題を解決しなければなりません。
家族に介護が必要な方がいる場合や、持病がある場合なども、配慮が必要かもしれませんね。
ステップ3・滞在頻度や往復も考慮して、2拠点生活の場所の候補を挙げる
ステップ2までクリアしたら、次は場所の候補を検討していきます。
まずは好きな土地・住みたい土地を複数挙げてみてください。
そもそも、2拠点目を自由に選べる状況なら、住みたい土地を候補にするのがベストですからね。
その上で、相応しい場所かどうかを具体的に検討していくのがいいと思います。
候補地を検討する際に確認すること
・往復に何時間程度かかるか
・目的に合った環境か
・住民税はいくら必要か
・その土地の地方自治体に、移住2二拠点生活の住宅取得補助制度、または住居の修繕に関する補助金、子育ての補助金などはあるか
などを考慮して、候補地を絞り込んでいってみてくださいね。
ステップ4・初期費用やランニングコストを考える
物件の取得方法はどうするか
おおまかに土地を決めたら、次はどうやって家を確保するかになります。
2拠点生活の場合でも、一般的に住宅を確保する場合と同じ。
住宅を手に入れる主な方法は以下の通りです。
2拠点目を手に入れる主な方法
・新築を建てる
・新築の建て売りを探す
・中古の戸建て住宅を探す
・中古のマンションを探す
・賃貸の戸建て住宅を探す
・賃貸のアパートを探す
・シェアハウスを探す
・実家等を相続する
これは、予算によるところが大きいと思います。
家族でだいたいの金額を決め、必要ならその土地の不動産屋さんに直接相談するのが早くて確実かもしれません。
地域によって中古住宅事情も相場も違いますので、その土地のことはその土地のプロに聞くのが一番だと思いますよ。
2点生活のスタート段階で必要な家財道具をリストアップし、おおまかな予算を把握する
2拠点生活をスタートする前に、実際に生活するための最低限の家財道具を揃える必要があります。
毎日を過ごすメインの家ではないので、多少の不自由は問題ないと思います。
例えば我が家は、2拠点目には洗濯機がありません
電子レンジも、食洗機も、便利家電のたぐいはいっさいありません。
他には、テレビもありませんし、エアコンもありません。
その代わり、平地より気温が常に10度ほど低いので、暖房器具は必須。
このように、メインの家にあれば済むものや、多少の我慢で買わずに済むものもあります。
逆に、気候や環境の問題で必須なものもあります。
2拠点生活スタートの時点で何が必要か、それにはいくら必要か、おおまかな見積もりを出しておくと安心ですね。
往復の交通費、毎月の電気ガス水道料金などのランニングコストを把握する
初期費用のほかに、年間経費をあらかじめ把握しておきましょう。
我が家の2拠点生活では、年間経費として以下のお金がかかっています。
年に1回支払うお金
・別荘地の管理料(水道代も含む)
・住民税
・固定資産税
・電気の基本使用料
・ガスの基本使用料
・水抜き・水出し(年に1回ずつ)
滞在の頻度に応じてかかるお金
・往復の交通費(高速道路の料金とガソリン代)
・滞在中や移動途中の食費
・使用した分の電気代
・使用した分のガス代
・灯油代
だいたい何にいくらかかるのか、おおよその予算を把握しておくと安心です。
例えば食費のように、どこにいても必ずかかるお金もありますので、2拠点生活だからといって生活費が倍になる訳ではありません。
ただ残念なことに、2拠点生活をすると余分にお金がかかることは間違いないです。
そのための予算は覚悟して準備してくださいね。
ステップ5・とりあえず一度、旅行で行ってみる
土地の雰囲気、環境を肌で感じてみる
ステップ4までクリアしたら、次はとりあえず行ってみる、です!
その土地の雰囲気はやはり肌で感じて見なければ分からないもの。
いわゆる『相性』が結局一番大事なポイントじゃないかなぁ~なんて、18年も二拠点生活をやっていると思うのです。
結局は「その土地に行きたいか、その家で過ごしたいか」が2拠点生活を成功させる秘訣なのです!
往復の交通の便は悪くないか
2拠点生活の面倒なところは、往復の移動に時間を取られることです。
メインの家から数10分の移動では、あまり2拠点生活のメリットがありません。
となると、環境が変わる場所まで移動せざるを得ないわけで、どうしても数時間単位の移動が必要になってきます。
高速道路のインターまで行きやすいか、最寄りのインターを降りてから遠くはないかなど、最優先すべきポイントではないですが、気にしておいて損はないと思いますよ。
おわりに
2拠点生活を始めるまでの5つのステップ、いかがでしたか。
この記事を読んで、「2拠点生活を実現するのはハードルが高い…」と感じた方、申し訳ありません!
決してハードルは高くないのですが、安易2二拠点生活を始めて「失敗した~」という結果になって欲しくないのです。
たとえ経済的に余裕がなくても、節約生活の大変さを補って余りある豊かな時間が得られます。
ぜひ、なるべくスムーズに2拠点生活をスタートして、実りある時間をエンジョイしてくださいね!