たった一度きりの人生、このままでいいの?
そんな風に思ったことも一度はあるはず。
時間に追われ、仕事に追われ、家事に追われ、育児に追われ…
ちょっと待って。
深呼吸してみてください。
あなたの人生は、どこでどう過ごすかを自分で決めていいのです。
移住とは?
移住とは、今住んでいる土地から別の土地に移り住むこと。
ただの引っ越しではなく、ライフスタイルの大きな変化を伴って、人生の環境を変える、というニュアンスが含まれます。
しかも、最近よく耳にする移住は、主に「地方移住」、つまり都会の生活から自然豊かな地方での生活に思い切ってシフトチェンジする、そんな意味合いですね。
近年、ワークライフバランスの充実も重要視されるようになりました。
目まぐるしい日々を繰り返すなかで、ふと立ち止まって考えたいな、という人も。
そこで、人生の選択肢としての「移住」を考えてみませんか。
移住は、どうすればできるの?移住のための8つのステップ
移住は、今住んでいるところから、ほかの地域(主に地方)へ引越しをすれば完了です!
と言いたいところですが、大きな人生の決断はもう少し順を追って行いましょうね。
ここでは、
こんなはずじゃなかった!
と後で後悔しないように、移住までのステップをご紹介します。
我が家が首都圏から長野県上田市に移住した実例も紹介しますので、参考にしてくださいね。
どうして移住したいの?を考えよう
最初に考えることは、一番大事な「移住の目的」です。
ただ、
今の仕事がいやだ…
とか、
田舎ぐらしって都会より自由そう…
みたいな安易な考えで移住してしまうと、失敗する確率が高いです。
今現在から逃げるのではなく、未来への目標をはっきりさせましょう。
ちなみに、私が移住を目指した目的は大きく分けて3つです。
1つ目は、我が家が2拠点生活で、「高原の家」が北軽井沢にあったこと。
「高原の家」に通うのが首都圏からだと3時間以上かかるのですが、それを1時間程度までに短縮したかったのです。
つまり、2拠点生活をもっと積極的に活用するためですね。
2つ目は、うつ病を患って引きこもっている夫が、自然豊かな場所だとわりと元気に過ごせるから。
2拠点生活の「高原の家」にいる時のほうが調子がよさそうな夫を見て、「いっそどちらの家も自然豊かな環境にすればいいじゃん!」という結論に至ったわけです。
夫にとってはもちろんですが、私にとっても、たった一度の人生です。
自分の大切な人に、辛い毎日を過ごしてほしくなかったのです。
移住は思い切った選択肢かもしれません。
しかし、辛い状態を変えずにいることのリスクの方が大きいのではないか、という結論に、我が家は至ったのです。
3つ目は、我が家の飼い犬がビビリすぎて、首都圏の「街の家」付近での散歩を嫌いになってしまったこと。
都会はどこに行っても人、自転車、車…アスファルトの道の端をおそるおそる散歩する我が家の犬。
犬のために移住した、という訳ではないですが、大切な家族の一員として、できる限り幸せな環境を与えてあげるのも飼い主の務めかな、なんて思っています。
こう見ると、移住の目的は、何より家族が幸せになる環境づくりに尽きます。
別に田舎でなくてもいいと思うのです。
目的によっては今より都会に移住する場合もあるかもしれません。
自分の家族が幸せになれる土地、そんな思いで移住の目的を見つけてくださいね。
家族と思いをシェアしよう
移住の目的は、ぜひ家族間でシェアしてください。
そこで、
お友達と離れたくないわ…
とか、
今の仕事をまだ辞めたくないから、今は無理!
とか、家族の反対にあうことも想定されます。
もしそうなったとしたら、きっと、今は移住のタイミングではないのかもしれません。
たとえ今は移住が実現しなくても、あなたの思いを聞いて、家族の中に「移住」という選択肢が加わることに意味があるのです。
いずれ訪れるチャンスを待つのもありですよ。
私は、夫婦2人(プラス犬1匹)の家族なので、私から夫に思いを伝えました。
すると、
食べたいメニューも自分で決められないような君がそう言うなんて、本気なのだろう。
僕も本気で考えてみる
と言ってくれました。
メンタルの不調を抱える夫にとっては、生活の大きな変化は不安なはず。
でも、真剣に考えた結果、
環境を変えてみるのも悪くないかもしれないな
と、賛成してくれたのです!
今思うとこの時が、私たちの人生、大きく舵を切った瞬間でした。
「移住先でやりたいこと」をリストアップしてみよう
じゃあ、どこに移住するの?と考えたときに、地域を選ぶのに大きく関わってくるのが「移住先で何がやりたいか」です。
もし、趣味の海釣りを思いっきりやりたいなら、選ぶ地域は内陸の山奥ではないですよね。
自分で育てた野菜で子どもを育てたい…とか、母親の生まれ故郷で暮らしたい…とか、ラグビーの強豪チームに加入したい…とか。
自分の人生を自由にデザインしなおしていいんだ、と考えると、選択肢は無限大なのです!
「どうしても嫌なこと」もリストアップしよう
やりたいことだけをリストアップして、
移住する地域はどこにしようかしら~
というのはちょっと待った、です。
どうしても嫌なことも、リストアップしておきましょう。
ここが移住を失敗しないための一番の「要(かなめ)」かもしれません。
私の場合は、
雪深い地域はNG!
でした。
冬、寒いうえに空はずっと鉛色…毎朝、早起きして雪下ろし…そんな毎日は無理だな、と思っていました。
寒いならせめてお日さまに出ていてほしかったのです。
そうして選んだ長野県上田市は、日本でも屈指の晴天率を誇る地域。
冬場の気温は関東より低いですが、雪は少ない地域です。
毎朝の雪おろしも必要なく、どんよりとした空に気分が滅入ることもない。
そんな「どうしても嫌なこと」を念頭に置いておくのは大切ですよ。
「やりたいこと」と「やりたくないこと」が叶う土地(移住先)を見つけよう
こうして考えていくと、だんだん移住したい地域の条件が見えてきますね。
やりたいことと、やりたくないこと。
そのどちらも叶う地域はどこかな…というポイントで、情報収集を行いましょう。
おすすめは、一般社団法人・移住交流推進機構の【ニッポン移住・交流ナビ JOIN】で、各地の移住者の体験談を読むこと。
移住後の生活がより具体的に想像できるので、現実的な選択肢を選べます。
実際にその土地へ行ってみよう
さて、移住の候補地が決まったら、まずはその土地への旅行の計画を立てましょう!
本当なら春夏秋冬の様子を身をもって経験したいところですが、せめて1泊して、昼と夜を過ごしてみることをおすすめします。
移住先が観光客でにぎわっている地域は、夜もにぎやかな場合と、逆に夜は寂しくなってしまう場合があります。
人口の少ない田舎だと、夕方には次々に店が閉まってしまい、午後4時にはガソリンスタンドも閉まってしまう、なんていう地域も。
都会で暮らしていると驚くかもしれませんが、スーパーマーケットも夜7時には閉店しますし、コンビニも24時間営業ではないのです。
インターネットで情報を見ただけなのと実際に体感するのでは、日々の生活を想像する上で大きな違いがあります。
ぜひ一度は、実際にその土地に行って「ここで生活するんだ」という意識でその土地を観察してみてくださいね。
働きかたを考えよう
移住候補の地域が決まったら、次は実際の生活を作っていきます。
生活するうえで最も大切なのは収入ですよね。
この段階では、移住候補地は大まかに地域だけ決めておいて、仕事先を先に探します。
自営業やフリーランス、リモートワークで移住するなどの場合は、この問題はパスしてOK。
新たな仕事先を探す場合は、勤務地が決定してから住む場所を絞り込みましょう。
勤務先によっては、住宅手当がある場合もありますし、社宅が使える場合もあります。
それらによって充てられる費用も変わってきますからね。
今は、政府の地方創生の取り組みによって、移住者に対してさまざまな支援を行っている自治体が増えています。
遠隔地から自分で仕事を探すのは大変ですが、自治体に仕事を紹介してもらったり、就職のサポートをしてもらったりすれば心強いですね。
まずは一度、移住候補地の自治体のホームページを見てみてください。
住まい方を考えよう
収入が確保できたら、次は住居の確保です。
例えば以下のような選択肢が考えられます。
- 親の実家が空き家になっていて、そこが利用できる
- 勤務先の社宅もしくは提携の賃貸住宅がある
- 自治体の空き家紹介を利用する
- 不動産会社を通して賃貸住宅を借りる
- 新築を建てる…など
親の実家があったり、会社に用意してもらえたりする場合を除けば、前項で紹介した自治体の移住サポートを利用するのが賢い方法。
収入面でのサポートのほかに、空き家紹介のサポートがあるところも多いので、相談して損はないです。
古い空き家の場合、自由にリフォームやリノベーションしてOKな物件も多いので、新築を立てるより安い費用で好きな家に作り替えることができます。
移住して、住みながらじっくりと家に手を入れていく…そんな移住も楽しいですね。
新築を建てる場合でも、地元の業者を紹介してもらえるので、自治体の移住サポートは最大限活用しましょう!
ちなみに、今お持ちの自宅を売却して移住資金にしたいという方には、こちらが便利かもしれません。
三井不動産の【不動産無料査定】サービス。
査定だけなら無料ですので、相談してみるといいかもしれませんよ。
いざ移住!引っ越しまでのやることリストを作ろう
移住する場所が決まった、仕事が決まった、住む家が決まった…さて、次はいよいよ引っ越しの準備です。
ここまで来てしまえば、あとは「移住」というよりただの「引っ越し」なのでご安心を。
ここから引っ越し当日までの「やることリスト」の一例をご紹介します。
- 職場への退職届の提出、各種手続き
- 引っ越し業者の見積もり→引っ越し日決定
- 引越し業者への料金振り込み
- 役所への転出届
- 役所で印鑑登録の廃止
- 保健所へ犬の登録抹消の手続き
- 郵便局の転送手続き
- ヤマト運輸への転送手続き
- 水道局へ連絡
- ガス会社へ連絡
- 電力会社へ連絡
- かかりつけ病院へ受診して、診療情報提供書の作成を依頼、薬を多めに処方してもらう
- かかりつけの歯医者で検診と歯のクリーニング
- 犬のかかりつけの動物病院で、処方されていた薬の確認
- 加入している保険会社への住所変更手続き
- 各クレジット会社への住所変更連手続き
- 各銀行への住所変更手続き
- 各ネットショップへの住所変更手続き
- 親せきや友人への報告
- この地域でお世話になった方へのあいさつ回り
私は、リストをスマホで箇条書きにメモし、1つ片付くごとにチェックしていく方法を取っていました。
引っ越しに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。
参考にしてくださいね。
おわりに
我が家は首都圏から長野県上田市に移住して、今のところ90%は満足しています。
何の不満もない完璧な土地はないと思っているので、90%ってスゴイ!
残り10%についてはこちらの記事で紹介しています。
さらにこちらの記事では、「移住のメリット・デメリット」を紹介しています。
移住を検討されている方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてくだいね。
首都圏には10年住みましたが、仕事関係者以外の友人は結局できませんでした。
集合住宅に住んでいましたが、隣に誰が住んでいるか、下の階に住んでいた方がいつ退居していったのか、全く知らないまま10年を過ごしました。
私たち夫婦の人とのかかわり方の問題だと言われればそれまでですが、移住先ではもうすでにたくさんの温かい仲間に日々助けられて暮らしています。
田舎の良さ、地方の良さはその土地にもよると思いますが、魅力はとにかく自然と人です。
すべての人に移住が向いているとは限りません。
人生をもう一度描き直せるなら、移住という選択肢もありだと思いますよ。