群馬県の草津と言えば、言わずと知れた温泉の町!と思い込んでいませんか?
実は、草津で注目すべきは温泉だけではないのです。
我が家にとっても毎年の夏の恒例イベントになっている 『草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル』 が最高に素敵なのです!
この記事では、この音楽祭について、実際のレポを交えて詳しくご紹介します。
来年の夏のお出かけは決まりかも…早くも夏が楽しみになること、間違いなし!
『草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル』って何?
1980年夏、一流の音楽家が世界中から草津に集まり、日本の若い音楽家にレッスンを行いました。
それがこの 『草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル』(以下、草津アカデミー) の始まり。
ということで、この音楽祭はただのコンサートではなく、毎年「アカデミー&フェスティヴァル」という名がついているのです。
世界中から音楽の師が集まり、若い音楽家の卵たちにレッスンをしてくれる夏の2週間。
その合間を縫って、一流の音楽家である講師陣に演奏会を開いてもらい、音楽家の卵のみならず、大勢でそのぜいたくな時間を分かち合おうではないか!といったところです。
なので、毎年この時期に、2週間にわたって音楽祭が開催され、音楽家による演奏会のほか、生徒たちのレッスンの成果が披露される機会も設けられています。
注目したいのが、毎年テーマが違うという点。
例えば2021年の第41回は「ベートーヴェンから現代へ」というテーマでしたし、2019年は「バッハからシューベルトへ」、2017年は「モーツァルトの奇蹟~過ぎゆく時を超えて」でした。
パンフレットも秀逸で、毎年、画家の西村繁男氏の描くイメージイラストが表紙を飾っているのですが、これがまた素敵で毎年楽しみなのです。
音楽祭のスケジュールはおよそ8月後半の2週間。
オーケストラの日もあれば、ピアノリサイタルの日もあったり、弦楽四重奏の日もあったりと、さまざまなコンサートが楽しめるプログラムになっています。
生徒たちのコンサートは入場無料ですが、講師陣によるコンサートの入場料は全席指定の4,000円から5,000円程度です。
コンサートのスケジュールはホームページで確認できます。
当日券があるかないかは日によるので、お目当てのプログラムがある場合は、前売り券を購入するのが間違いないと思いますよ。
我が家は前売りチケットを購入した履歴が事務局に残っているせいか、パンフレットが自宅に送られてきます。
ちなみになぜか毎年、私と夫宛ての2通来ます。有り難いけれど、何だか申し訳ないような…。
草津アカデミーは上皇ご夫妻がご常連
我が家にとってこの音楽祭は、近年の夏の恒例行事になっています。
数年前のこと、チケットを予約していた当日に、いつもよりおめかしして車で会場に向かいました。
その日はあいにくの雨。
雨の日にこの音楽祭を鑑賞するのは初めてです。
会場に近づくと、会場敷地内の駐車場が閉鎖されていて、近くの別の駐車場へ行くようにとの案内が。
雨なのに?もしくは、雨だから?
理由は謎のまま、案内された駐車場に車を停めると、自分の傘の持ち込み及び使用は禁止とのことで、ビニール傘を貸し出されました。
辺りを見回すと、他の観客の方々も同様の対応を求められており、事情が分からずに困惑している様子。
それでも、マイクロバスで会場まで送迎してもらえることのとだったので、とりあえず会場へ向かいました。
会場はいつもより報道陣が多いものの、それ以外は例年通り。
ちなみに、会場内はこんな感じです。
すると、誰かがこそっと話している声が聞こえたのです。
今日は天皇ご夫妻がいらっしゃるらしい。
なるほど!
それで車の乗り入れが禁止だったのか!
それにしても傘の持ち込みまで禁止という徹底ぶりには驚かされました。
天皇ご夫妻(現在は上皇ご夫妻)が毎夏、軽井沢と草津で静養されていることは国民周知の事実ですし、美智子様が音楽への造詣が深くピアノが得意でいらっしゃることは有名です。
調べたところ、天皇皇后両陛下として過去に15回この音楽祭に出席され、譲位後も参加されたとのこと。
私たちは幸運にも、その中の1回に立ち会うことが出来た訳ですね!
音楽祭の幕が上がる時はまだ、ホール内に天皇ご夫妻はいらっしゃいませんでした。
休憩をはさんで後半の幕が上がる時、天皇ご夫妻が同席される旨のアナウンスがされ、2階席手前にずらりと並んだカメラマンたちが一斉にシャッターを切りました!
お二人の入って来られた時の雰囲気と言ったら…
オーラが取り巻いているような、神々しいとはまさにこのこと!という圧倒的な存在感。
観客総立ちで拍手で迎えましたが、みんな圧倒されると同時に感動していたようでしたよ。
撮影禁止と事前に言われてはいませんでしたが、報道陣以外の観客たちはみんな、拍手するだけでカメラは向けておらず…
お二人のお写真が欲しい!と、私は心の中で思いましたが、なにせ誰も撮っていなかったのでビビってしまって撮れませんでした…残念。
天皇ご夫妻は、圧倒的な存在感。
にもかかわらず、とても親しみやすい人柄ゆえか、ゆっくり階段を下りられると、私たちと同じように真ん中付近のお席へ普通に座られたのです。
特別に用意された席へ座るでもなく、観客の一部として、その後のプログラムを30分ほど鑑賞されました。
私はその間、お二人がどうしても気になってしまい…
かといってジロジロは見られず、さりげなくチラチラ見ること十数回…演奏はほぼ上の空でした。
演者の方々、すみません。
天皇ご夫妻は、プログラムの最後まではご覧になりませんでしたが、途中退席の際もにこやかに柔らかい笑顔で私たちに手を振って下さり、私は一人で大感激!
偶然にも同席させて頂けて、本当に光栄でした。
全てのプログラムが終わり、ホールから出ると、天皇ご夫妻が会場から帰られるところでした。
私たち一般客でごった返すラウンジ内を、笑顔でゆっくり歩いて行かれたご夫妻。
それも手を伸ばせば届くほどの距離なのです!
さすがに手は伸ばしませんでしたが、間近で手を振らせていただいただけで私は舞い上がってしまいました。
翌日、新聞に「天皇皇后両陛下、草津の音楽祭を鑑賞」という内容の記事を見つけ、勝手に優越感に浸っていたことは言うまでもありません。
草津アカデミーは本番前でも楽しめる!
この音楽祭の会場である草津音楽の森国際コンサートホールは、ホールの周りが広々した自然豊かな環境で、とても気持ちのいい会場です。
少し早めに会場入りして、周りをプラプラ散歩するのもおすすめ
静かで心地よい環境の中、音合わせをしているのか、コンサートホールとは別の建物から楽器の音色が聞こえてきたりするのですよ。
さらにこの音楽祭のもう1つの楽しみ、それは本番前に珍しい楽器の演奏が聴けること!
その珍しい楽器とは、「アルプホルン」。
長~い木製円すい管にマウスピースを付けて演奏する金管楽器の一種で、アルプスの民族楽器だそうです。
この演奏を間近で見られる機会は、少なくとも私は年に1回のこの日だけ。
本番前の密かな楽しみになっているのです。
このアルプホルンの演奏が今では音楽祭の名物になっているらしいので、この音色も含めて、音楽祭を満喫したいですね。
草津アカデミーは会場外でも楽しめる!
この音楽祭の素敵なところ、それは会期中に湯畑周辺など草津の他の場所でもプチ演奏会が開かれることです。
草津観光の際にアルプホルンの演奏に偶然出くわしたり、宿泊したホテルのラウンジで、夜、思いがけず演奏会を鑑賞できたりしたら、ラッキーですよね。
おわりに
寒い冬にこそ、温泉が最高!
…なのですが、夏の草津もまた違った雰囲気で最高なのです!
コンサートには、アカデミーの生徒さんたちも鑑賞に来ています。
個々のレッスンだけでなく、一流の音楽家である講師の本番の演奏が間近で聴けるなんて、贅沢なアカデミーですよね!
草津のまち全体が音楽で溢れる夏の2週間。
温泉目当てで訪れるだけではなく、この時期に合わせて温泉と音楽に浸るために草津を訪れる…
素敵な旅になること間違いなしですよ!