乾物って保存できて便利だけれど、いまいち活用方法が分からない…そんな方、いませんか?
中でもお麩って、特に味もしないし、フニャフニャで使いづらいし…
そうなのです。味がなくてフニャフニャだからこそ、使い方によってはとても便利な食材なのです。
我が家は二拠点生活歴17年。
常温で保存のきく乾物は、二拠点目(山の家)のストック食材として大活躍なのです。
そんなお麩の活用方法、家庭科の教員免許を持つ私が特におすすめする技ありレシピを3品ご紹介します!
この記事を読めば、お麩の印象が全く違うものになりますよ!
お麩ってどんな食べ物?
お麩は、小麦粉に水を加えて練り、それを水で洗い流して残ったグルテン(小麦タンパク)を主原料とした加工食品です。
これにもち粉やこめ粉を加えて蒸したり茹でたりしたものが「生麩」で、小麦粉を加えて焼いたものが「焼き麩」、一般的に「お麩」として乾物の状態で売られているものです。
焼き麩には、棒に巻いて焼いた車麩、板に張り付けて焼いた板麩、花の形の花麩、小さな球状の豆麩などがあります。
(この記事では、焼き麩について主に扱うので、焼き麩のことをまとめてお麩と呼びます)
かわいい形のお麩が、お吸い物や煮物の飾りに使われているのを見たことがあるかもしれません。
食紅で色鮮やかに作られたものもあるので、日本では昔から行事やお祝いごとでもよく使われてきました。
子どもの頃、「ふがし」って食べませんでしたか?
軽くてフカフカで、口の中で溶けてなくなる棒状のお菓子…あれもお麩ですね!
お麩に含まれる栄養素って何?
車麩1個当たりの重さはおよそ10グラム。
文部科学省の食品成分データベースによると、カロリーは36キロカロリー、タンパク質3.0グラム、脂質0.3グラム、炭水化物5.4グラム(それぞれ車麩10グラムあたりの数値)です。
PFCバランス(三大栄養素であるタンパク質と脂質と炭水化物のバランス)で見ると、タンパク質が多く、圧倒的に脂質が少ないですね。
植物性なのでヴィーガン料理にも使え、ダイエットに最適の食品でもあるのです。
お麩はどのように使えばいいの?
お麩は一般的に乾物として販売されています。
そのままだと、硬くてパサパサで、食べられる状態ではないですね。
なので、お麩は売られているそのままの状態では使用せず、水やお湯で柔らかく戻してから調理します。
戻し時間は、お麩のサイズにもよりますが、だいたい30分~40分。
指で押してみて芯が残っていなければOKです。
硬いままで煮物やスープに入れてしまうと、硬い状態からうまく戻らなくなってしまうので、必ず柔らかい状態に戻してから使ってくださいね。
ちなみに、お吸い物に浮かべて使うようなお麩は、そのまま浮かべて大丈夫です!
お麩そのものにはほとんど味がないので、どんな料理にも使いやすいです。
逆に、味がよく染み込むので、味が濃くなり過ぎないように注意ですね。
お麩の技ありレシピ3選
水で戻したお麩は、スポンジ状の網目構造。
抜群の吸水力、保湿力な訳です。
さて、ならば何を吸わせようか…ということで、今回はこの3つ、「出汁の旨み」、「肉汁」、「卵液」をたっぷり吸わせたレシピをご紹介します。
どれもお麩だからこその技ありレシピです!
出汁の旨みたっぷりの「金沢風おでん」
【材料】(4人分)
- お好みのおでんの具(例:大根、昆布、練り物、ゆで卵、など)…4人分
- 車麩…4個
- ☆調味料:顆粒だしの素…大さじ1、白だし…大さじ1、オイスターソース…大さじ1、
【作り方】
- 車麩を袋の表示通りに水で戻し、軽く絞っておく
- 卵を茹でておく
- 大根を2センチメートルの厚さに輪切りにして、十文字に隠し包丁を入れ、下ゆでしておく
- 一旦火を止めてしばらく置き、味をしみこませて完成!
- 水1リットルと調味料を鍋に入れて火にかけ、煮立ったらおでんの具を鍋に加えて、コトコト煮込む
金沢風のおでんは、具材にいくつか特徴があって、その中の一つが車麩なのだそうです。
出汁の旨みをたっぷり吸いこんだ車麩は、トロトロで絶品です!
肉汁ジュワーの「麩でフワフワハンバーグ」
【材料】(4人分)
- 豚ひき肉…500グラム
- 玉ねぎ…1個
- お麩…20グラム程度(車麩なら2個)
- 牛乳…大さじ2、
- ☆調味料:ナツメグ…少々、食塩…4グラム、コショウ…少々
- ★たれ:酒…大さじ2、みりん…大さじ2、砂糖…大さじ1、白だし…大さじ1、麺つゆ…大さじ2
【作り方】
- 玉ねぎをみじん切りにして、600Wの電子レンジで1分加熱する(玉ねぎが透明になる程度)
- お麩を手で細かく潰してボウルに入れ、牛乳を加えてふやかしておく
- ボウルに1の玉ねぎ、豚ひき肉、☆の調味料を加えて、粘り気が出るまでよく捏ねる
- 4等分して成形し、フライパンで両面を焼く
- フライパンに★のたれの材料を加えて、とろみがつくまで煮詰め、ハンバーグにからめて完成!
ハンバーグのつなぎはパン粉、という方が多いと思います。
でも、パン粉ではなくてお麩、ぜひ一度試してみてください!
何度も作って比べた結果、ハンバーグの柔らかさとジューシーさは、パン粉より断然お麩の勝ちです!
卵液しみしみの「プルプル麩レンチトースト」
【材料】(4人分)
- お麩…バゲット1本分くらいの量(車麩なら8個程度)
- 卵…4個
- 牛乳…400ミリリットル
- 砂糖…大さじ4
- オリーブオイル…大さじ1
- 蜂蜜…召し上がる時にお好みで
【作り方】
- お麩をフレンチトーストの時のバケットように切り、バットに並べる
- 卵、牛乳、砂糖をよく混ぜてから注ぎ、お麩に染み込ませる
- フライパンにオリーブオイルを敷き、お麩を並べる
- お麩の両面をこんがり焼いて完成!
バゲットや食パンで作るフレンチトーストよりも、もっちりした食感がクセになる、麩レンチトースト。
お麩なら常温で買い置きできるので、週末のブランチなど、思い立ったらすぐ作れるのがいいところなのです。
さすが、スポンジ状の網目構造なだけあって、卵液しみしみでジューシーなフレンチトーストになりますよ!
おわりに
この記事では、お麩の使い方と技ありレシピをご紹介しました。
特徴的な味もなくて使い勝手の良い食材なので、お麩を買い置きしておくと、わりと便利なのですよ!
まずは使い方に慣れてみてくださいね。
もし、ご家庭に使いきれなくて余っているお麩があったら、ぜひこの3品を試してみてください。
乾物の便利さに気付いて、ハマってしまうかも…